読書の記録Vol.2  
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『ガラスの動物園』 テネシー・ウィリアムズ
2010年6月30日読了(新潮文庫/小田島雄志 訳)
★★★★★



母のアマンダ、娘のローラ、息子のジム。
 アマンダの夫は妻子を捨てて蒸発。
 娘のローラは身体的なハンデから自分の世界に閉じこもる。
 息子トムは倉庫で働きながら詩を書き現実逃避を考える。
 そんなトムが語る家族の追憶の世界。


これほど瑞々しい人物描写が出来る作家さんはなかなかいない。
 三人がそれぞれの苦しみを背負う中
 その繊細な心の中が見事に表現されている。
 絡み合う夫婦愛・親子愛・姉弟愛。
 セントルイスのある裏通り、小さな借り部屋で
 引き合い、反発し合い・・それでも離れられない親子関係は
 ガラスのように繊細だった。
 三人の想いを抒情的に綴った作品☆
 静かに開き静かに閉じたい・そんな作品☆

 後半に出てくる青年紳士ジム。
 この親子のガラスのような繊細さに対し
 彼はクリスタルのような眩い輝き。
 彼がローズに語りかけた言葉が必ず心を動かしたと信じたい。
 踊りだすシーンでは
 まるでハリー・ハラーとヘルミーネの逆ヴァージョンみたいで
 ドキドキした。
 
21:07 テネシー・ウィリアムズ -